Please reload

最新記事

DNP久喜工場へ行ってきました

October 26, 2017

現在ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催されている「組版造形 白井敬尚」展。

もういらっしゃった方も多いことでしょう。

白井氏の手がけられた雑誌や書籍がずらりと並ぶ、それだけの展示。

でもそのシンプルさの中に、紙と文字と造本の織りなす美しい美しい宇宙が広がっています。

何時間でもいられるーと思いました。

希少な書籍も多数ありますので、まだの方はぜひ!

(2Fにはなんと、フォントかるたが展示してあるという情報も…白井さんとは全く関係ありません。すみませんすみません…)

 

ギンザ・グラフィック・ギャラリー第362回企画展

組版造形 白井敬尚

2017年09月26日(火)~11月07日(火)

 

 

 

さて、この企画展のイベントの一環として、DNPの久喜工場を見学するツアーがありました。

 

フォントかるた製作チームのメンバーからも3人、熾烈な申し込み競争を勝ち抜いて参加してまいりました。

 

写真はNGなので、1号が描いたイラストでイメージを膨らませてください(妄想力大事ですよ)。

 

 

 

久喜工場は、あまたあるDNPの印刷工場の中でも、特に週刊誌や月刊誌などの短納期・多部数の印刷物に特化しているとのこと。

1本が1トンほどもある、でっかいでっかい紙のロールがありますよね。あれを1日に1000~2000本も!!印刷・製本するのだそうです。

そのため、工場全体が非常に効率的にシステマチックに設計されています。

 

イラストの左下にある平べったい子は、ロール紙を印刷機まで運ぶロボットです。「♪静かな湖畔の森の陰から~」のメロディーに乗って、無人で走る健気な子。かわいい!(きゅん

 

ロボットの走る通路の左右にはオフセット機が30台以上も並んでいて、シャーっとすごい勢いで印刷されています。印刷機から出たところには乾燥機、そして折り機が待ち構えています。

折られた用紙は自動的に結束されて、ロボットアームがパレットに積み上げ、そして別の階にある丁合マシーンに送られます。

丁合ができたら断裁、そして梱包されて取次へ配送。

川の流れのようにスムーズでスマートなシステムが、ガンガン動いている素晴らしさ。

さすがDNP!のスケール感でした。

 

オフセット印刷機にも、丁合機にも画像認識システムが使われていて、品質管理を行なっているのが新しい。もちろん熟練の職人さんたちも多数。人の目での検品作業も行われていました。チェック大事ですよね。うんうん。

 

久喜工場にはオフセット印刷以外にも、マンガ雑誌などの活版印刷もあります。

こちらは樹脂で活版を作り出すマシーンが楽しかった。

1号は「家にも欲しい!」と叫んでおりましたが、なに刷るんや??

 

インクと紙の匂いに包まれて、幸せいっぱいのここまでが前半。

 

後半は、かつて市ヶ谷にあったものをごそーっと、まるっと久喜に持ってきたという、活字および印刷書体に関する資料の見学です。

 

2003年に活字活版の部署が解散するまでは、現役で使われていたという活字たち。

体育館くらいの広さの倉庫にびっしり!そして大半は梱包されたままの状態で眠っています。

もちろん、あの!あの!日本の書体の源流と言われる「秀英体」がいっぱいー!!

 

活字はまず「母型」を作るところから始まります。

戦後は「電胎法」と呼ばれる、文字を原寸に彫った原型(ハンコの逆版みたいな感じ)から型取りして作る方式がメインでしたが、その後「ベントン式」という原画からサイズを調整しながら母型を彫り込むことのできる方式に移り変わりました。

「母型」ができたら、それを元に鋳造機で鉛やアンチモンの合金で活字を作ります。

 

活字倉庫には、電胎法の母型も、ベントン彫刻機も、ベントン型の母型も、鋳造機もみんな揃っています。話だけを聞くよりも、やはり実物を(触ったり動かしたりしながら)見るのはわかりやすいですね。なんでこんなにみんながベントンベントン言うのか、2号もようやくその意味がわかった気がします。

 

母型や活字はもちろん、組み箱や活字棚、活字や母型を入れる引き出しなども、昭和初期の時代を感じる飴色の木製のものでした。ちょっと敷いてある新聞や、箱に筆で描かれた文字なんかも歴史そのものという風情。

 

説明の後は自由に見ていいですよ。とのことで、倉庫に放牧される見学者たち。

 

「初号!初号!」

「ルビ!ルビ!」

「欧文!欧文!」

「キラキラの直彫り!」

「花形もいっぱい!」

「飾り罫!飾り罫!」

「自動活字組版!」

「出張!出張!大出張!」

 

物量も質もなにしろすごいので、見学者もだんだんテンションおかしくなっていきます。笑

 

組んだ状態で置いてあるものもあり、紙型もあり、円盤?もあり、写植機や文字盤の棚もあり。

 

活字の見本帳や、広辞苑の原本(原本を大きく印刷してそれを縮小していたのだそう)、活字の彫りの深さや字面の高さなど品質チェックをするための機器など。もうとても半日の中で見切れない資料の数々。でもなかなか無い機会なので、帰りのバスに追い立てられるギリギリまで粘って見てしまいました。

 

そして今回の見学は、なんと白井さんがご同伴くださり、ずっと一緒に回ってくださいました。

見学中にもいろいろ教えてくださったり、「なんだろう?」「どうして?」と、工場の方に質問を繰り出されることもあったり。それを横で見ている幸せ!

現在の秀英体については、「単なる復刻ではなく、横画をしっかり太くし、すみ取りをしすぎず、活版の時代のにじみも考慮した、素晴らしい書体だと思います」とおっしゃってました。

 

活字秀英体の書籍で、白井さんデザインの『秀英体研究』は、残念ながらもう新刊では買えませんが、花形活字をふんだんに使ったゴージャスな装丁は「組版造形 白井敬尚」展で見ることができます。

あと、素晴らしい白井さんデザインの活字組みも、活字と印刷物の両方が展示されてるので、それも必見!

 

『一〇〇年目の書体づくり―「秀英体 平成の大改刻」の記録』は、平成になってから現在の印刷技術に合わせた秀英体の改刻を解説した本で、こちらも分厚くて見応えたっぷり。秀英体の歴史や現在の書体との違いなどがよくわかる一冊だと思います。

https://www.amazon.co.jp/dp/4887522576

 

興奮冷めやらず、まだまだ書きたいこともありましたが、まずはレポートまで。

gggのみなさま、DNPのみなさま、白井さん、みなさま本当にありがとうございました(平伏

 

最後にチラ見せ(未発表札)。秀英明朝!!

DNPの前身の「秀英舎」は、当時の文明の最先端であったイギリスを越えたい!という希望が込められた名前だったのだそう。秀英明朝は、イギリスを超える明朝体ってことですね。

「な」の2画目と3画目が、屋根のようにつながっているのが特徴です。

 

 

 

Share on Facebook
Share on Twitter
Please reload

ソーシャルメディア
Please reload

タグから検索
Please reload

アーカイブ
  • Twitter Basic Square

© 2017 フォントかるた制作チーム